キャピキシルはミノキシジルの3倍効果がある、は本当?

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キャピキシルはミノキシジルの3倍効果がある、は本当?
元々は現ファイザーが開発し、高血圧の経口薬として使われてきたミノキシジル。その成分に発毛効果が認められたことから、現在ではハゲ薄毛の治療薬として転用され使われています。国内では大正製薬が販売しているリアップシリーズが有名ではないでしょうか。
かたやカナダのLUCAS MEYER COSMETICS社が開発したキャピキシルは、そのミノキシジルの3倍効果があるとうわさされている成分です。その効果の真偽の程はどうなっているのでしょうか?

キャピキシルとはどういった成分?

男性が電話で説明をしている

ミノキシジルと比べると一段、認知性に欠けると思われるキャピキシルですが、先述の通り、カナダの化粧品メーカーLUCAS MEYER COSMETICS社が開発した「発毛効果を高める成分」です。この点でミノキシジルと大きく違うところは、高血圧治療のため血管拡張を目的とした成分か、発毛に特化したより専用性を高めた成分、というところでしょう。
ヨーロッパでは伝承薬として長い歴史があり、別名レッドクローバーと呼ばれるアカツメクサ花のエキス。それに加えアセチルテトラペプチドを含む成分によって構成されたものがキャピキシルです。一見、特殊な薬物のようにも思えますが、化粧品原料の一つです。

アカツメクサに含まれるビオカニンAとは

ビオカニンAとはキナーゼの一種であるチロシンプロテインキナーゼを阻害しますが、このことから男性型脱毛症の原因であるジヒドロテストステロンを促す因子5αリダクターゼに対して強い抑制力があります。
UNIPEX(LUCAS MEYER COSMETICS社を擁するカナダの化粧品原料メーカー)の資料には、その「ミノキシジルの3倍効果がある」のゆえんとなる測定結果が掲載されています。内容としては「Biochanin Aが5-αリダクターゼ活性に及ぼす影響」(Effect of Biochanin A on 5-α reductase activity)と題されたグラフにあります。
資料では、何もしない場合、EGCG(カテキンの一種)とビオチミンAを使った場合の3種類の比較表があります。対する5αリダクターゼはType 1(=5αリダクターゼ(Ⅰ型))とType2(=5αリダクターゼ(Ⅱ型))と二つあり、Ⅰ型は特に皮脂の分泌量に影響し、Ⅱ型が毛乳頭に多く存在してDHT生成に強く関わっているものが掲載されています。測定で得られた結果は、EGCG(=カテキンの一種)が-11%。-5%に対して、Biochanin A(=ビオカニンA)はⅠ型で-64%、Ⅱ型で-93%と、5αリダクターゼ活性を抑える効果を示しています。

もう一つの成分アセチルテトラペプチド‐3

キャピキシルを構成するにあたりもう一つの重要な要素がアセチルテトラペプチド‐3です。4種類のアミノ酸と三つのペプチドが結合したペプチド化合物のことで、人工的に合成されたアミノ酸分子です。これが育毛に関わる主成分になります。その理由は、驚異的な細胞の修復能力を持っていることにあります。
元々はこの人工化合物のアイデアは、けがをした時の細胞修復能力の速さをヒントにして作られたとも言われていることから、それを頭髪に応用したものと考えれば驚くべき回復能力があるのでは、と思ってしまうのではないでしょうか。

先ほどの資料にも、アセチルテトラペプチド‐3を用いた細胞の活性化に関する測定結果が掲載されています。こちらは「ミノキシジルとの毛髪活性率の比較」(Hair growth activity of the treatment)として、比較結果がグラフで表示されています。
「Minoxidil」(ミノキシジル)は「+52%」に対して、右側の「Acetyltetrapeptide‐3」(アセチルテトラペプチド‐3)は「+156%」という数値が出ています。これが、ネット上で広まっている「ミノキシジルの3倍の効果」の元になっています。実際にミノキシジルで100本生えるから、キャピキシルは300本生えるというわけではありません。しかし、細胞活性化への働きが強いということはデータ上から証明されています。

育毛と育毛を阻害するモノから守ってくれるから最強?

このようにキャピキシルは育毛(細胞修復能力)と育毛を阻害するモノ(5αリダクターゼ活性)を抑える二つの要素で固められており、一見すると「とんでもない効果があるのでは?」と考える人も少なくないと思います。特に薄毛やハゲに悩まされ続けた人にとっては、夢のようなものかもしれませんが、過信は禁物です。そもそも5αリダクターゼと関係しているチロシンプロテインキナーゼはチロキナーゼの一種ですが、人間にはこれ以外にも100種類以上のチロキナーゼがあるのではないかと考えられており、しかもその大半の機能が解明されていません。チロキナーゼは細胞の増殖や分化、接着、免疫反応に関わるシグナル伝達に関与しており、人間を構成する重要な要素を担っていますが、もしかすると、それら他のチロキナーゼが細胞の増殖などに関わっている可能性もあり、私たちが目にしているものは一部にしか過ぎないかもしれません。
効果が認められた発表があったとはいえ、そのことを考えると、キャピキシルが絶対的特効薬と考えるのは避けたほうが懸命でしょう。

参考サイト:UNIPEX-24ページ・28ページのグラフ

キャピキシルの扱いは化粧品

基本的にキャピキシルは「化粧品」の扱いです。発毛剤のリアップ(大正製薬)は「第一類医薬品」、その他の多くの育毛剤は「医学部外品」です。医薬部外品の改善よりも効き目が緩やかだという分類の育毛エッセンスなどが「化粧品」となっています。
キャピキシルを含む製品名を挙げると「モンゴ流スカルプエッセンスDeeper3D」「スカルプエッセンス FINJIA」「スカルプローションTHE SCALP 5.0C」「ボントレス(Bontress)ローション」などがあります。

キャピキシルに副作用はほとんどない?

キャピキシルの副作用について話をしている

キャピキシルの有効成分は、基本的に天然素材ということでミノキシジルやプロペシア(5αリダクターゼⅡ型阻害薬)に見られる人体への副作用の心配はほとんどないと考えてよさそうです。

初期脱毛は効果が表れ始めたときに見られるシグナル

上記で副作用はほとんどないとお伝えしましたが、一部で初期脱毛が報告されています。ですが、細胞が発毛を始めるときの初期段階なので経過観察をしながら使用すれば問題はないでしょう。頭皮に赤みや発疹が見られたら、少し休止して観察すると良いでしょう。初期脱毛は、リアップの副作用としても見られる一つのシグナルです。細胞の活動が活発になると古い細胞を排出する働きが生じることから、抜けるべき状態にある髪の毛が一気に抜けてしまう現象です。通常は1週間から1カ月で収まると言われています。
キャピキシルはミノキシジルとは違い、頭皮ダメージも少ないので大きな心配は必要ありません

AGA(男性型脱毛症)の原因と発毛促進のメカニズム

AGAの原因と育毛促進のメカニズム

最後にキャピキシルの効果を理解するために、AGAの原因と治療法を簡単に紹介します。この見解は、AGA治療専門クリニックや育毛剤サイトに共通しているものです。

AGAの原因は5αリダクターゼにあり

AGA(男性型脱毛症)は、5αリダクターゼという酵素が男性ホルモンに作用してDHT(ジヒドロテストステロン)が生成され、毛乳頭内で脱毛シグナルが生み出されヘアサイクルが乱れる症状です。簡単に言えば、遺伝による影響を受ける「5αリダクターゼの働きを抑える」ことによって抜け毛を減らすことができます。

発毛を促進させるには「抑制」と「血管拡張」が必要

前述の通り、AGAの原因となっている原因は主に5αリダクターゼによるものです。すなわちAGA治療はこの「5αリダクターゼの働きを抑制する」ことと、「生える効果(ミノキシジルなど血管拡張作用)」を組み合わせて行うことになります。多くの医薬部外品である育毛剤も考え方はほぼ同じです。

おわりに

何かと話題になるキャピキシルですが、同じ「5αリダクターゼⅡ型阻害薬」のプロペシア(薬品)や血管拡張作用のある「ミノキシジル」の使用には抵抗がある人は試してみると良いでしょう。併用するのであれば、キャピキシルとミノキシジルの組み合わせが考えられます。そのときも頭皮の状態は必ず確認してみましょう。すでに柔軟さを失い薄毛が極端に進行した頭皮だと回復に時間がかかります。
入浴時の丹念な頭皮マッサージも併せて継続するケアが基本です。キャピキシルに期待を寄せる場合も、最低6カ月は継続して頑張ってみましょう。当然のように、全ての人に効果があるわけではありません。

ハゲ薄毛研究所編集部

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